騒音がもたらす健康等への影響
近年、急増しているとされる近隣との『騒音トラブル』について、騒音が与える影響やその対処方法についてご紹介します。
4つの悪影響
騒音はさまざまな悪影響を及ぼしますが、大きく分けると以下の4つに分類できます。
①生理的影響
生理的影響とは、人間の身体に対する影響です。
代表的なものには「聴力障害」と「睡眠妨害」があります。
【聴力障害】
通常、年齢を重ねるにつれ聴力は衰えていくものですが、騒音環境下では衰えとは無関係に聴力障害を発症する可能性があります。日常生活でも瞬間的に大きい音(重量物の落下音や列車の通過音など)を聞いた場合に一時的な聴力の低下が起きることもあります。このような騒音を聞き続けていると、聴力が下がってしまう可能性があります。
【睡眠妨害】
多くの人に経験があると思いますが、周りの音がうるさい場所だと寝ることは困難になります。またそのような環境下で仮に眠ることができたとしても、睡眠の質は下がり十分な休息をとることが出来ず体調不良になることがあります。一般的には「30dB」未満であれば人体への影響がなく、ぐっすりと眠ることができるといわれています。
②心理的影響
心理的影響とは、精神的に与えるストレスを意味しますが、同じ音でも不快感や嫌悪感の程度は人それぞれ異なり、たとえ小さな音であっても音に敏感な方ではストレスになりえます。ストレスを受け続けると、自律神経失調症やうつ病などの精神障害を発症する可能性があります。
③活動妨害
騒音は人間の健康面に対してだけでなく人の活動にも影響を与えることがあります。例えば、周囲の音がうるさいことで作業に集中できなかったり、他人と会話ができないなどが該当します。また、個人活動だけでなく事業活動においても、騒音により客足が遠のく・従業員の作業効率が低下するなどの妨害もありえます。
④社会的影響
社会的影響は上記3つと異なり人間に直接影響を与えるものではありません。騒音が多い地域の場合、住環境の評価が悪くなることで不動産価値が下がる可能性があります(工場周辺、飛行場付近、線路や幹線道路沿いなど)。
これらの影響により、騒音は心身の健康や社会生活にとっての重要な課題となっています。それぞれの影響に対して適切な対策を講じることが求められます。
生活騒音の基準
「生活環境を保全」し、「人の健康の保護」をする上での望ましい騒音基準が「環境基本法」で定められています。自治体で採用する基準は多少異なりますが、おおむね居住地域で定められる基準値は「昼間55dB以下、夜間45dB以下」が採用されています*1。例えば、東京都新宿区では「日常生活等に適用する騒音規制基準及び拡声機の音量基準」に、以下の騒音基準が定められています*2。
- 朝(午前6時から午前8時まで):40dB
- 昼間(午前8時から午後7時まで):45dB
- 夕(午後7時から午前11時まで):40dB
- 夜間(午後11時から午前6時まで):40dB
(出典:東京都新宿区 「いろいろな騒音・振動 – その他生活騒音等」)
ただし、あくまでも生活環境を守るための基準値であり、基準値を超えたからといって必ずしも健康を害したり生活環境に支障が表れるわけではないことに注意が必要です。
*1 地域区分が「一般地域」の場合、「2車線以上の車線を有する道路に面する地域」では基準が5~15dBほど緩和される
*2 第一種・第二種低層住居専用地域、第一種文教地区
騒音を抑えるためには?
では、実際に騒音が発生している場合どのように対策すれば良いでしょうか。1つの方法として騒音対策の製品を導入することが挙げられます。以下に騒音対策に効果のある製品を紹介します。
①吸音パネル・遮音パネル
吸音パネルは室内の反響音や残響音を減少させることができます。一般的にはロックウール/グラスウールなどの繊維素材などが使われており、音が効果的に吸収する造りになっています。壁に取付けて使用することで室内の音を抑えることができます。
LcycLではウレタンを素材とした吸音パネルを取り扱っています。通常のグラスウールやフェルト素材のものよりも高い吸音効果がほしい方におすすめです。
- 9,350円 [税込]
【吸音】と【寝床】の2WAY仕様「やわらか吸音パネル」 クラウドファンディングサービスMakuakeにて「思いやり吸音パネル」と題してプロジェクト掲載しました。 壁に取り付ければ吸音パネルとして室内騒音を低減し、取り外せばクッションマットとして使用できます。ご自宅の居住環境の改善にご活用下さい。 自動車部品に採用されているウレタンの端材・廃材を一部再利用しており、環境に配慮したアップサイクル製品です。 【商品特徴】 ・吸音性能の高いウレタンを中材に使用 最大約20dBの騒音低減効果(独自…
②防音マット
材質や構造で様々な種類がある防音マットですが、外部からの騒音対策をする場合には硬さのあるゴム製の防音マットが有効です。遮音性に優れるため階下からの音の侵入を防ぐことができます。使用するときにはカーペットやラグなどの下に敷いてお使い下さい。
③遮音テープ
遮音テープはドアや窓の隙間を塞ぐことで、音の侵入を防ぐことができます。窓やドアの開閉をしたときに抵抗感が弱い場合は隙間がある可能性があり、音が侵入しているかもしれません。設置方法も貼るだけで簡単に設置でき、特別な工具や技術を使用しないのでお手軽に騒音対策ができます。
④遮音カーテン・防音カーテン
遮音カーテンは外部から侵入する音や内部から漏れる音を遮断することができます。一般的には複数の層からなる構造により音を伝わりにくくすることで、遮音性能を高めています。通常のカーテンと取扱いが同じなため取付けが簡単です。一方、防音カーテンは厚手素材でできており、室内の音をよく吸収します。反響音や残響音を抑えることで室内の音環境を改善することができます。
上記の商品を使用することで騒音を軽減することができます。
複数の製品を組み合わせることでより大きな低減効果も狙うことができます。
最後に
如何だったでしょうか。騒音は健康にも影響を及ぼす重大な問題です。
もし、自宅の中で騒音が気になるようでしたら、先に挙げた防音対策グッズなどを検討してみて下さい。